シェフェール(読み)しぇふぇーる(英語表記)Nicolas Schöffer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェフェール」の意味・わかりやすい解説

シェフェール
しぇふぇーる
Nicolas Schöffer
(1912―1992)

ハンガリー出身の造形作家。ブダペストおよびパリの美術学校に学ぶ。1936年からパリに定住。初めモホリナギのキネティック彫刻分野を試みたあと、48年以来「空間・動力学的構築」とよぶ光と運動を伴う造形作品を発表した。彼はまた光と音響装置を結合し、映像と音曲の視聴覚的共演を実験した。その後サイバネティックスに興味をもち、都市計画や都市空間に機能する作品を構想した。68年ベネチア・ビエンナーレ展で大賞受賞。日本では1970年(昭和45)の大阪万博に参加し、80年箱根彫刻の森美術館展で大賞を受賞した。同年生誕の地カロチャに個人美術館が開館した。

[野村太郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェフェール」の意味・わかりやすい解説

シェフェール
Schöffer, Nicolas

[生]1912.9.6. オーストリア=ハンガリー帝国,カロクサ
[没]1992.1.8. フランス,パリ
ハンガリー生れのフランスの彫刻家。ブダペストの美術学校で学び,1936年パリに行き同市美術学校で学ぶ。 50年光と動きを伴った「空間動力学」と名づける彫刻を発表。自動制御機構をもった光,音,動きを総合化した立体「サイバネティックス彫刻」を手がけ,61年リエージュ市に『サイバネティックス塔』を建設。芸術変革,社会と芸術の新しい関係をつくりだすことを目的とし,それを都市計画にまで拡大した。作品の量産による芸術の社会化を目指し,『リュミノ』というオブジェフィリップス社で生産。 70年来日し『ルックス』を発表。著書『サイバネティックス都市』 La Ville Cybernétique (1969) ほか。

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