日本大百科全書(ニッポニカ) 「エフェソス公会議」の意味・わかりやすい解説
エフェソス公会議
えふぇそすこうかいぎ
431年、小アジアのエフェソスEphesos(エペソ)で開かれたキリスト教会の第3回公会議。いわゆるネストリウス論争の解決のため、東ローマ皇帝テオドシウス2世によって招集された。ネストリウス(コンスタンティノープルの総主教)は、キリストには神人二つの人格ないし実体があると主張、また当時広く用いられて東方世界で問題化していた「神の母(テオトコス)」というマリアの呼称に反対したため、キリロス(アレクサンドリアの総主教)によって激しく論難され、この会議で異端の宣告を受けた。この会議では、キリストの位格(ペルソナ)について神人一体であること、マリアは神の母であることが決定された。
[菊地栄三]
『H・I・マルー著、上智大学中世思想研究所監訳『キリスト教史2 教父時代』(1980・講談社)』