シザンサス(読み)しざんさす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シザンサス」の意味・わかりやすい解説

シザンサス
しざんさす
[学] Schizanthus pinnatus Ruiz et Pav.

ナス科(APG分類:ナス科)の半耐冬性一年草チリ原産で、コチョウソウ、ムレコチョウともいう。葉は切れ込みがあり、3~5月、径2~3センチメートルの花を多数開く。花色は赤、桃、藤、紫、白色などの複色で、花壇や鉢物に用いられ、近年は大鉢仕立てのものもみられる。8月に播種(はしゅ)し、一度移植したのち小鉢に植え、摘心を一、二度行って地際から多数分枝するよう育てる。冬季はビニルハウス内で栽培するが、日中温度を上げすぎないようにし、10℃前後を目標とする。用土は腐葉土を30%くらい配合した排水のよいものを用いる。鉢植えは5号鉢なら1本植えでよく、花壇に植え出す場合は霜のおそれがなくなってからにする。

[鶴島久男 2021年6月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シザンサス」の意味・わかりやすい解説

シザンサス
Schizanthus; butterfly flower; poor-man's orchid

和名ムレゴチョウ (群胡蝶) 。ナス科の一年草で,チリに 10~15種分布する。茎はよく分枝し,羽状葉が互生する。直径2~4cmの細かな花は,茎の上部をおおうように多数咲く。和名のムレゴチョウや英名のバタフライフラワーが示すように,花の形は小さなチョウのようにもみえる。冬から春にかけて鉢植えとして流通する種間交雑種のシザンサス・ワイズトネンシス S.×wisetonensisは,花色が赤色,桃色,紫紅色,薄紫色,黄色,白色など多彩で,花冠の基部に斑紋 (はんもん) が入る。生育適温は8~12℃。長持ちさせるためにはあまり高温にしない室内で管理する。

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