リモネン(読み)りもねん(英語表記)limonene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リモネン」の意味・わかりやすい解説

リモネン
りもねん
limonene

単環式モノテルペン系炭化水素であり、右旋性(d-体)と左旋性(l-体)の光学異性体がある。光学的に不活性なラセミ体(dl-体)はジペンテンといわれる。d-リモネンレモン油オレンジ油などに、l-リモネンははっか油スペアミント油などに、ラセミ体はテレビン油樟脳(しょうのう)油などに存在する。d-リモネンはオレンジ、レモンなどの精油を分留して得ている。l-リモネンははっか油を分留して得ている。ジペンテンは樟脳白油を分留して得ている。

 リモネンは香粧品香料として各種柑橘(かんきつ)油と併用され、せっけん、洗剤、化粧品、芳香剤などに用いられる。食品香料としては柑橘系、各種フルーツ系のフレーバーに使用される。d-リモネンはl-カルボン(スペアミント)の合成原料として重要である。

[佐藤菊正]


リモネン(データノート)
りもねんでーたのーと

リモネン
d-リモネン

 化学式 C10H16
 分子量 136.2
 融点  -74.35℃
 沸点  177.6~177.8℃/755mmHg
 比重  0.8402(測定温度21℃)
 屈折率 (N)1.4722
 引火点 47℃
 旋光度 [α]+124.2℃

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リモネン」の意味・わかりやすい解説

リモネン
limonene

化学式 C10H16 。レモン,オレンジなどの精油中に含まれる単環式モノテルペン炭化水素。無色液体。沸点 176.5℃。水に不溶,アルコール可溶。レモン様の芳香を有する香料の原料である。

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