シトロネロール(読み)しとろねろーるでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シトロネロール」の意味・わかりやすい解説

シトロネロール(データノート)
しとろねろーるでーたのーと

シトロネロール
d-シトロネロール
分子式C10H20O
分子量156.3
融点
沸点108.4℃/10mmHg
比重0.8590(測定温度20℃)

シトロネロール
しとろねろーる
citronellol

鎖状モノテルペンアルコールの一つ。多くの植物精油中にα-とβ-の混合物として存在する。シトロネロールには1個の不斉炭素原子があるので、右旋性(d体)、左旋性(l体)および不活性(dl体、ラセミ体)の光学異性体がある。シトロネロールはシトロネラ油ゼラニウム油に含有され、甘いバラ様の香気を有する無色液体である。引火点102℃。シトロネラ油を精留してシトロネロール留分をとり、精製して製品とする。シトロネラールを接触水添しても得られる。バラ、ミューゲ、スズランなどのフローラル系調合香料に用いられる。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シトロネロール」の意味・わかりやすい解説

シトロネロール
citronellol

化学式 C10H20O 。シトロネラ油中に含まれるモノテルペンアルコールで,バラの香りを有する液体。沸点 225℃。工業的にはバラの人工香料として化粧品石鹸に使われる。

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