日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビジネス・ゲーム」の意味・わかりやすい解説
ビジネス・ゲーム
びじねすげーむ
business game
経営者や管理者の教育訓練の一方法。企業の内部組織と外部環境(市場)の相互作用をモデル化し、競争状態に置かれた各企業をチームとして経営上の意思決定の優劣を争う。まず参加者を数チームに分け、各チームが一企業の経営陣を構成するものとし、各人は全般管理、企画、生産、販売などの職能を分担する。市場状況と各企業の初期条件(資産、生産能力、売上高、従業員、コストなど)のデータが与えられる。各チームはそれぞれ独立して協議によりこれらのデータを分析し、そのうえで求められた各種の意思決定(生産量、価格、設備投資、資本調達など)を行って審判団に提出する。審判団は、あらかじめモデル化されているルールに従って各チームの意思決定を評価し、経営業績を算出して各チームにフィードバックする。これで第一期が終了する。各チームは、この結果に基づいて第二期の意思決定を行う。以下、この手順を数期反復して、最終期の業績によって勝敗を決する。意思決定の拙劣なチームは、途中で倒産することもありうる。このゲームは、総合的な経営上の判断を体験できる特色がある。生産、販売、財務などに特化したゲームもつくられている。
[森本三男]