改訂新版 世界大百科事典 「シャバラスバーミン」の意味・わかりやすい解説
シャバラスバーミン
Śabarasvāmin
550年ころに活躍した古代インドのミーマーンサー学派の学匠。生没年不詳。ジャイミニ作と伝えられる《ミーマーンサー・スートラ》に対して《シャバラ・バーシヤŚabara-bhāṣya》という注釈書を著した。この学派の研究目標はダルマ(ベーダ聖典に命ぜられている義務,祭事)であるが,シャバラスバーミンによれば,ダルマの研究は,(1)ダルマとは何か,(2)ダルマの定義は何か,(3)ダルマを実現する正しい手段は何か,(4)その反対に,正しくない手段は何か,(5)ダルマは何を目的としているのか,という五つの観点から行われるべきであるとし,聖典解釈学,祭事学の方法論の整備,強化をはかった。
執筆者:宮元 啓一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報