改訂新版 世界大百科事典 「ジャイミニ」の意味・わかりやすい解説
ジャイミニ
Jaimini
生没年:前200ころ-前100ころ
古代インドの学匠。ベーダ聖典の祭事部に関する体系的な解釈学を旨とするミーマーンサー学派の開祖とみなされ,この学派の根本経典《ミーマーンサー・スートラMīmāṃsā-sūtra》の作者であると伝えられているが,それが現在見られるようなかたちに整えられたのは後100年ころと考えられる。この経典は,ジャイミニの名を冠せられて《ジャイミニ・スートラJaimini sūtra》,あるいは,12章より成っているので《十二章篇》とも称せられる。〈さてこれよりダルマ(聖典に命ぜられている義務,祭事)の探求が(開始される)〉で始まるその教説の一部は,姉妹学派であるベーダーンタ学派の根本経典《ブラフマ・スートラ》(5世紀前半ころに完成)の中で,その経典の作者とされるバーダラーヤナなど幾人かの学匠の教説と並んで,ジャイミニの名のもとに紹介され,批判されている。
執筆者:宮元 啓一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報