日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュバシコウ」の意味・わかりやすい解説
シュバシコウ
しゅばしこう / 朱嘴鸛
white stork
[学] Ciconia ciconia ciconia
鳥綱コウノトリ目コウノトリ科の鳥。アカハシコウともいう。コウノトリCiconia ciconiaのヨーロッパで繁殖する亜種で、アジア東部に分布する亜種のコウノトリC. c. boycianaとは、嘴(くちばし)が赤い(東アジアのコウノトリでは黒い)ことと、小形であることで区別される。ヨーロッパと北アフリカで繁殖し、冬はアフリカ中南部で越冬する。全長約1メートル。沼沢の多い平地や農耕地にすみ、一般習性はコウノトリと同じであるが、好んで人家の屋上や煙突の上に営巣する。このため、中部ヨーロッパでは非常によく親しまれている鳥の一つである。しかし、生息地の工業化に伴い、個体数が急激に少なくなっている。
[森岡弘之]