シリストラ(その他表記)Silistra

デジタル大辞泉 「シリストラ」の意味・読み・例文・類語

シリストラ(Silistra/Силистра)

ブルガリア北東部の都市。旧称ドルスタル。ドナウ川を挟んでルーマニア国境を接する。古代ローマ時代に国境防備の拠点として築かれたドゥロストルムに起源する。一時期キーウ大公国に占領されたが、10世紀に東ローマ帝国奪還。続いて、第二次ブルガリア帝国オスマン帝国領となった。第二次バルカン戦争後にルーマニアに編入され、1940年よりブルガリア領。西方16キロメートルに、世界遺産自然遺産)に登録されたスレバルナ自然保護区がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「シリストラ」の意味・わかりやすい解説

シリストラ
Silistra

ブルガリアの北部,ルーマニアとの国境,ドナウ川の右岸にある都市。別称シリストリアSilistria,古称ドゥロストルムDurostrum。人口7万8000(1990)。豊かな農業地帯の中心都市。食品工業(缶詰,ブドウ酒,乳製品,肉製品),繊維,窯業鋳造電算機の工場がある。1世紀に城砦として始まり,ローマ時代から6世紀にかけて要塞と行政拠点であった。971年キエフ・ロシアのスビャトスラフ・イーゴレビチの軍団とビザンティン軍との間に衝突があり,その後諸国家の支配を受けたのち,15世紀はじめにオスマン帝国下に入った。1873年以降ブルガリア領で,一時1913-40年の間ルーマニア領となっていた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリストラ」の意味・わかりやすい解説

シリストラ
Silistra

ブルガリア北東部,ラズグラド州の都市。ドナウ川にのぞむ河港都市でルーマニア東南部と境を接する。南ドブルジャの肥沃な農業地帯の一中心地で,機械,缶詰,酒造,乳製品,食肉,食用油,繊維,陶器,家具,日用品,有機化学などの工場をもつ。1世紀にローマの都市ドゥロストルムとして建設され,第1次ブルガリア帝国の初期から政治,経済の中心であった。8~10世紀にはドラスタルと呼ばれ,シメオン皇帝 (在位 893~927) およびペタル1世 (在位 927~69) の治世下にブルガリア総主教座がおかれたが,1388年以後オスマン帝国に占領され,その要塞町,市場町となった。 1878年にブルガリア領となり,1913年ブカレスト条約でルーマニア領となったが,40年ブルガリア領に戻った。人口5万 6229 (1991推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のシリストラの言及

【ドブロジャ】より

…この地を通過した諸民族にはアバール人,スラブ人,ブルガール族,ペチェネグ人,クマン人等があり,ビザンティン時代にはトルコ系のブルガール族やクマン人の独立国家がこの地方を包摂した時期もあった(ドブロジャという名称はクマン人の王朝名ドブロティチDobrotićiに由来するという説もある)。オスマン帝国のバルカン進出にともないこの地の要塞も漸次その手に落ち,1484年以降おもにシリストラのパシャ領に編入された。以後17世紀まではオスマン帝国のウクライナやポーランドへの遠征の軍事拠点となり,帝国の衰退の始まる18世紀以降はロシアにたいする防衛線となった。…

※「シリストラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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