シンゴニウム(読み)しんごにうむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンゴニウム」の意味・わかりやすい解説

シンゴニウム
Syngonium

サトイモ科シンゴニウム属の総称。熱帯アメリカに約 20種が分布し,そのうち数種が観葉植物として利用されている。一般に流通しているシンゴニウム・ポドフィルム S.podophyllumはつる性の常緑多年草で,若い葉は鏃 (やじり) 形,成熟した葉には鳥足状の切れ込みが入る。長い葉柄をもち,幼葉は長さ7~15cm,成葉は 15~60cmに達する。多くの品種があり,濃緑色のほか,乳白色淡黄色の多様な斑 (ふ) の入る種類がみられる。吊り鉢や大鉢に仕立てたり,ヘゴ材にからめたりして育てる。室内の明るい日陰で管理。高温多湿を好み,通常の水やりのほかに霧吹きで葉水を与えるとよい。越冬には8℃以上必要。高温期に挿木でふやすことができる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンゴニウム」の意味・わかりやすい解説

シンゴニウム
しんごにうむ
[学] Syngonium

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の多年生つる草。つるの切り口から白い汁液を出す。吊(つ)り鉢やヘゴ材につけて観賞する。よく知られるのはポドフィラム種の園芸種で、通常、鳥足状に3裂する葉に乳白色の斑(ふ)が全面に入るホワイトバタフライや、葉の中央部が細長く乳白色になるアルボビレンスがある。葉が丸くすこし肉厚なものにマクロフィラがある。鉢植えとし、4ないし5号鉢にミズゴケか腐葉土を主体にした軽い土に植える。春から秋までは日陰に置き、冬は13℃以上を保つ。繁殖は挿木により、6~7月に葉を2枚以上つけてつるを切り、ミズゴケで小鉢に植える。

[坂梨一郎 2022年1月21日]

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