改訂新版 世界大百科事典 「シンゴニウム」の意味・わかりやすい解説
シンゴニウム
Syngonium
サトイモ科の1属のつる性多年草で,熱帯アメリカに約20種が自生する。幼苗期の葉は単葉で,矢じり形のものが多いが,成体では3深裂あるいは鳥足状に5~13深裂する。観賞には幼苗期のものをつり鉢またはへご付けにして利用するので,開花は見られない。シンゴニウム・ポドフィルムS.podophyllum Schottはメキシコからコスタリカに自生し,幼葉は矢じり形で,やがて3~7深裂する。基本種は緑色葉だが,多くの園芸品種が選抜されており,アルボビレンスcv.Albovirens,アトロビレンスcv.Atrovirensなどの園芸品種は,葉脈を中心に白色~黄白色の斑入りとなる。大鉢には向かないが,ミニ観葉やテラリウムに適する。シンゴニウム・マクロフィルムS.macrophyllum Engl.は長さ15~20cmの長い心臓形の暗緑色葉をつけ,へご付けの大鉢物に向く。じょうぶで日照不足にもよく耐えるが,多湿を好むので,葉面灌水を多くする。挿木でふやし,生長期は肥料を多く与え,摘心を繰り返す。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報