ジアジン(読み)じあじんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジアジン」の意味・わかりやすい解説

ジアジン(データノート)
じあじんでーたのーと

ジアジン
分子式C4H4N2
分子量80.1
1,2-ジアジン
融点-8℃
沸点208℃
比重1.1035(測定温度23.5℃)
屈折率(n) 1.5189
1,3-ジアジン
融点20~22℃
沸点124℃
1,4-ジアジン
融点57℃
沸点116℃
比重1.0311(測定温度60.9℃)
屈折率(n) 1.4953

ジアジン
じあじん
diazine

複素環式化合物の一つ。ジアザベンゼンともいう。ベンゼンの2個の炭素原子を窒素原子に置換した化合物。その位置により3種の異性体がある。

(1)1,2-ジアジン(ピリダジン) ピリジンに似た臭(にお)いをもった液体。マレインジアルデヒドとヒドラジンを縮合させて合成する。水、エタノールエチルアルコール)、エーテルに溶けやすい。

(2)1,3-ジアジン(ピリミジン) 強い刺激臭をもつ。塩素置換体を還元することにより得られる。水、エタノール、エーテルによく溶ける。誘導体ピリミジン塩基と総称され、核酸の成分として重要な働きをしている(シトシンウラシルチミンなど)。

(3)1,4-ジアジン(ピラジン) 強いピリジンに似た臭いをもった固体ナトリウムとエタノールで還元すると、ピペラジンヘキサヒドロピラジン)になる。冷時で過マンガン酸カリウム溶液を脱色する。

[務台 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジアジン」の意味・わかりやすい解説

ジアジン
diazine

ダイアジンともいう。窒素2原子を環に含む六員環化合物。 C4H4N2 で表わされる。 1,2- ,1,3- ,1,4- の3つの異性体があり,1,3- ジアジンはピリミジンと呼ばれることが多い。

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