日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェレヌク」の意味・わかりやすい解説
ジェレヌク
じぇれぬく
gerenuk
[学] Litocranius walleri
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。エチオピアからタンザニアまでのアフリカ東部に分布し、茂みが点在する乾燥した草原や半砂漠に生息する。肩高90~105センチメートル、体重35~50キログラム。角(つの)は雄にだけあり、長さ25~44センチメートル。頸(くび)が長く、体上面は濃い栗(くり)色または赤褐色で、側面は淡く下面は白色。単独か、つがい、ときに3~10頭の小群で暮らし、アカシアなどの葉や芽、若い枝を食べる。しばしば後ろ足だけで立ち上がり、高さ2メートルぐらいにある葉をむしる。ほとんど水を飲まずに生活できる。子は、雨期になって若葉が出るころ生まれる。1産1子。頸が長いため、敵の接近をすぐ感知するが、走るのはガゼルほど速くなく、近年乱獲により急激に数が減っている。
[今泉忠明]