ジョリー(読み)じょりー(英語表記)John Joly

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョリー」の意味・わかりやすい解説

ジョリー
じょりー
John Joly
(1857―1933)

アイルランドの地質鉱物学者。オファリー州に生まれる。ダブリン大学のトリニティ・カレッジで学び、1897年、同大学教授となった。鉱物の融点、比熱の精密測定法、天然色写真撮影法の開発を行う。のちに放射能による熱の蓄積地殻変動についての学説著名となる。これは、放射能熱を地殻変動の根本原因とした初めての学説である。地殻下部で放射能による熱が蓄積し、下部層の密度の減少、体積膨張による地球半径の増大アイソスタシーによる大陸の地殻の沈下がまずおこり、次に熱は大洋底放散し、逆の現象として地球半径の縮小、大陸の地殻の浮上がおこる。地球半径の縮小の際の圧縮によって造山運動がおこり、熱の蓄積がまた始まる。このようにして、海進、海退、造山運動が周期的におこると述べている。

[木村敏雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョリー」の意味・わかりやすい解説

ジョリー
Jolley, Elizabeth

[生]1923.6.4. イギリスバーミンガム
[没]2007.2.13. オーストラリアパース
オーストラリアの小説家。本名 Monica Elizabeth Knight。風変わりな登場人物が多数登場する乾いた喜劇タッチの小説を得意とし,特に女性たちを愛情をこめて描いた。ドイツ語を話すイギリスの家庭で育ち,1959年にオーストラリアのパースに転居。1950年代後半に書き始めた第1作『パロミノ』Palominoは,60歳の女医と,自分の兄の子を身ごもった若い女とのレズビアン関係を描いた作品で,出版社が内容を敬遠したため 1980年まで出版されなかった。1976年,初めての短編集『5エーカーの未開墾地』Five Acre Virginを出版。ほかに,『クレアモント通りの新聞』The Newspaper of Claremont Street(1981),『スコウビィ氏のなぞ』Mr. Scobie's Riddle(1983),『イノセント・ジェントルマン』An Innocent Gentleman(2001)などの作品がある。ラジオドラマの脚本執筆も手がけた。1988年オーストラリア勲章を受章,1997年人間国宝に選ばれた。

ジョリー
Joly, John

[生]1857. ホーリウッド
[没]1933.12.8. ダブリン
アイルランドの地質学者。ダブリン大学卒業。同大学教授 (1897) 。地殻変動における放射性物質の熱の役割を強調し,熱の放散と蓄積の周期性によって地殻変動の周期性を説明,いわゆる地殻変動の熱的輪廻説を発表した (1924) 。地球の年齢を約1億年と推定したこと,温度計,蒸気熱量計,光度計の改良,発明などでも知られる。ロンドン・ロイヤル・ソサエティ会員 (1892) 。主著『放射能と地球表層の歴史』 (1924) 。

ジョリー
Jolly, George

[生]?
[没]1673頃
イギリスの俳優。初めフォーチュン座に属していたが,のちドイツに渡り,フランクフルトを中心に活躍。ドイツ演劇に影響を与えたイギリスの巡業俳優の最後の一人。

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改訂新版 世界大百科事典 「ジョリー」の意味・わかりやすい解説

ジョリー
John Joly
生没年:1857-1933

イギリスの地質鉱物学者,物理学者。アイルランドのオファリー生れ。ダブリンのトリニティ・カレッジに学び,1882年卒業後同カレッジの助手となり,97年より死去まで地質鉱物学教授の地位をしめた。初期の発明に蒸気熱量計があり,これにより鉱物の比熱を決定した。1895年にはガスフィルターを用いたカラー写真撮影法を考案。後年,放射能に関心をもち,地球の歴史においては熱源として放射能が重要な役割を果たすことを基礎とした〈地殻輪廻説〉を唱えた。おもな著書に《放射能と地質学》(1909),《地球表面の歴史》(1925)がある。
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デジタル大辞泉プラス 「ジョリー」の解説

ジョリー

アメリカのシンガー・ソングライター、アル・クーパーが1972年に発表したアルバム「ネイキッド・ソング(赤心の歌)」に収録された曲。クーパーが当時交際していたクインシー・ジョーンズの娘に捧げたラブ・ソング。原題《Jolie》。

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