ヒガンバナ科の,秋あるいは春咲きの球根植物で,4種がヨーロッパ東部,トルコ,ギリシア,カフカスなどに分布する。黄色のクロッカスに似た,輝くような花をつけ,球根はヒガンバナのような形をしている。多く栽植されるのはキバナノタマスダレS.lutea(L.)Roem.et Schult.である。ヨーロッパ中部から小アジアにかけて分布し,秋にヒガンバナに似た少し短い数枚の葉を,花に先がけ展開する。花は少し平たく,短い茎(約8cm)の頂に上向きに開き,黄金色。大球は数本の花茎を出す。花壇や鉢植えに利用され,秋のはじめに植えつける。温暖な地中海地方原産なので,東北地方以北は暖かく保つことに留意する。普通4月末ごろに葉が黄変するので掘り上げ,網袋などにつり下げ乾燥する。増殖は分球による。
執筆者:川畑 寅三郎
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ヒガンバナ科(APG分類:ヒガンバナ科)の夏または秋植え球根草。花形が似ているので、白色花のタマスダレ(ゼフィランサス)Zephyranthes candida (Lindl.) Herb.に対してキバナタマスダレともいう。球根は黒い皮に包まれた鱗茎(りんけい)。9~10月、革紐(かわひも)状の葉とともに約20センチメートルの花茎を出し、アヤメ科(APG分類:アヤメ科)のクロッカスに似た径約5センチメートルの美しい黄金色の花を開く。地中海沿岸原産。
7月から9月中旬まで植えられるが、遅く植えたものはわずかに葉を伸ばしたころに開花する。日当りでよく育つが耐寒性は強く、4~5年植え替えの必要はない。
[平城好明 2019年1月21日]
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