スベタ

デジタル大辞泉 「スベタ」の意味・読み・例文・類語

スベタ

《〈ポルトガル〉・〈スペイン〉espada(剣の意)から。元来はカルタ用語でスペードのこと》
花札で、点にならないつまらない札。素札すふだ
顔のみにくい女性。また、女性を卑しめ、ののしっていう語。
[類語]ぶす不美人しこめ醜女醜婦悪女ぶおんなおかちめんこ

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精選版 日本国語大辞典 「スベタ」の意味・読み・例文・類語

スベタ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ポルトガル語] espada から。元来はカルタ用語で、「剣」の意 )
  2. めくりカルタで、点にならないつまらない札。
    1. [初出の実例]「こつちの愚鈍(へんてこ)あざとすべたを知らず」(出典:洒落本・風俗問答(1776))
  3. とりえのないつまらない者。賤しい者。
    1. [初出の実例]「こっちは凡夫のすべたの身。おまへは通力変化のおや玉」(出典:洒落本・当世気どり草(1773)瀬川菊の露)
  4. 顔かたちの醜い女。また、女、特に娼婦を卑しめていう語。
    1. [初出の実例]「アノすべたが寐ると土左衛門のやうだ」(出典:洒落本・にゃんの事だ(1781))
    2. 「売色の淫婦(スベタ)に鼻毛を抜かれて家産を蕩尽しても」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士)

スベタの語誌

( 1 )もと、遊具トランプの四種の紋様の一つからと見られる。四種のうち最も価値の低いものとされたと見え、それがの意に転用された。は特に外形面の非難が強く、行動や精神面での軽はずみへの非難を示す「蓮葉」と対照的に使用された。
( 2 )「スベタ」「蓮葉」「あばずれ」などの語は、原義はともかく、女性に対する侮蔑悪口としての明確な使い分けはなくなっていく。

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