精選版 日本国語大辞典「蓮葉」の解説
はす‐は【蓮葉】
〘名〙 (「はすば」「はすわ」とも)
① 蓮の円く楯形をした葉。
※俳諧・崑山集(1651)七秋「盆に物もれとてまろき蓮葉哉〈貞徳〉」
② (形動) 浮薄なこと。軽はずみなこと。軽率なこと。言動につつしみがないこと。また、そのさま。
※仮名草子・他我身の上(1657)三「まづ其方のなりふりがはすはなるにより」
③ (形動) 特に、女性の態度・動作が下品で軽はずみなこと。浮気なこと。また、そのさま。
※長唄・京鹿子娘道成寺(1753)「都育ちははすはな者ぢゃえ」
④ (形動) 服装、つくりなどが軽薄なまでに派手であること。また、そのさま。
※評判記・色道大鏡(1678)一四「はすはといふは、女にかぎらず風流過てばしなるかたちを、はすはなる躰などいふ」
⑤ 「はすはおんな(蓮葉女)」の略。
※浮世草子・好色一代男(1682)三「あれは問屋方にはすはと申て、眉目大形なるを東国西国の客の寝所さすため抱て」
はすっ‐ぱ【蓮葉】
〘名〙
① (形動) 「はすは(蓮葉)」の変化した語。
※評判記・吉原人たばね(1680頃)小いつみ「たた、かさかみのはすっはにて、がさがさいふと、ひかゆるひつぢゃう」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「私(わっち)をそんなはすっ葉(パ)だとおおもひか」
② =はすのはがさ(蓮葉笠)
※歌舞伎・助六由縁江戸桜(1761)「この蓮葉(ハスッパ)をとれ〈略〉と助六、満江の編笠を取る」
れん‐よう ‥エフ【蓮葉】
〘名〙 蓮(はす)の葉。荷葉。
※本朝文粋(1060頃)一三・祭亀山神文〈兼明親王〉「或身遊二蓮葉一、不レ知二幾万年一」 〔史記‐亀策伝〕
はちす‐ば【蓮葉】
〘名〙 蓮(はす)の葉。はすは。
※万葉(8C後)一三・三二八九「御佩を 剣の池の 蓮葉に たまれる水の ゆくへなみ」
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