蓮葉(読み)ハスハ

デジタル大辞泉 「蓮葉」の意味・読み・例文・類語

はす‐は【×蓮葉】

[名・形動]《「はすば」とも》
ハスの葉。
女性態度言葉が下品で軽はずみなこと。また、そのさま。はすっぱ。「蓮葉な声をたてて笑う」
蓮葉女」の略。
此家小間使にてお種という―なり」〈紅葉・二人女房〉
浮薄なこと。軽率なこと。また、そのさま。
「これは旦那、日ごろと違い―なる御仕方」〈浮・禁短気・一〉
[類語](2ボーイッシュギャルソンヌフラッパーマスキュリンおてんばはすおきゃんあばずれ尻軽じゃじゃ馬跳ね返り跳ねっ返り男勝り悪魔ずべずべ公

はちす‐ば【×蓮葉】

ハスの葉。
「―の濁りにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく」〈古今・夏〉

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精選版 日本国語大辞典 「蓮葉」の意味・読み・例文・類語

はす‐は【蓮葉】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はすば」「はすわ」とも )
  2. 蓮の円く楯形をした葉。
    1. [初出の実例]「盆に物もれとてまろき蓮葉哉〈貞徳〉」(出典:俳諧・崑山集(1651)七秋)
  3. ( 形動 ) 浮薄なこと。軽はずみなこと。軽率なこと。言動につつしみがないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「まづ其方のなりふりがはすはなるにより」(出典:仮名草子・他我身の上(1657)三)
  4. ( 形動 ) 特に、女性の態度・動作が下品で軽はずみなこと。浮気なこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「都育ちははすはな者ぢゃえ」(出典:長唄・京鹿子娘道成寺(1753))
  5. ( 形動 ) 服装、つくりなどが軽薄なまでに派手であること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「はすはといふは、女にかぎらず風流過てばしなるかたちを、はすはなる躰などいふ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一四)
  6. はすはおんな(蓮葉女)」の略。
    1. [初出の実例]「あれは問屋方にはすはと申て、眉目大形なるを東国西国の客の寝所さすため抱て」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)

はすっ‐ぱ【蓮葉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 「はすは(蓮葉)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「たた、かさかみのはすっはにて、がさがさいふと、ひかゆるひつぢゃう」(出典:評判記・吉原人たばね(1680頃)小いつみ)
    2. 「私(わっち)をそんなはすっ葉(パ)だとおおもひか」(出典安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
  3. はすのはがさ(蓮葉笠)
    1. [初出の実例]「この蓮葉(ハスッパ)をとれ〈略〉と助六、満江の編笠を取る」(出典:歌舞伎・助六由縁江戸桜(1761))

れん‐よう‥エフ【蓮葉】

  1. 〘 名詞 〙(はす)の葉。荷葉
    1. [初出の実例]「或身遊蓮葉、不幾万年」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・祭亀山神文〈兼明親王〉)
    2. [その他の文献]〔史記‐亀策伝〕

はちす‐ば【蓮葉】

  1. 〘 名詞 〙(はす)の葉。はすは。
    1. [初出の実例]「御佩を 剣の池の 蓮葉に たまれる水の ゆくへなみ」(出典:万葉集(8C後)一三・三二八九)

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