日本大百科全書(ニッポニカ) 「スミスネズミ」の意味・わかりやすい解説
スミスネズミ
すみすねずみ
Smith's red-backed vole
[学] Eothenomys smithi
哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科の動物。本州西南部、四国、九州、隠岐(おき)諸島に分布する。頭胴長8.5~11.3センチメートル、尾長3.3~5.6センチメートル、体重25~30グラム。耕地周辺から森林まで広い範囲にすみ、古生層などの岩石に富む場所や石灰質に富む土壌を好む。四国はこの条件に適しているといわれ、本種が大発生することがある。草食性で大臼歯(きゅうし)も無根歯である。カゲネズミに似るが、乳頭は1対多く3対、春から秋に繁殖し、1産1~4子を産む。つつが虫病の保菌者にもなっている。和名は神戸に在住した英国人スミスが六甲(ろっこう)山で採集したことにちなむ。
[宮尾嶽雄]