カゲネズミ(読み)かげねずみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カゲネズミ」の意味・わかりやすい解説

カゲネズミ
かげねずみ / 鹿毛鼠
[学] Eothenomys kageus

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科の動物。愛知県以北、関東地方までの本州に分布する。低山帯の森林や林縁にすむ。ヤチネズミのいない富士山では亜高山帯にも多く、八ヶ岳(やつがたけ)では森林限界付近にもみられる。頭胴長約90ミリメートル、尾長約45ミリメートル。スミスネズミE. smithiとよく似ている。後足長、尾長がやや短く、乳頭が2対で、3対のスミスネズミと異なるが、3対の個体もある。染色体にも差異があるというが、同種であると考えている研究者も多い。切歯、大臼歯(だいきゅうし)とも無根歯である。草食性。春から秋にかけて出産、1産1~3子。乳頭数、産子数ともに減少傾向にあり、分布域も狭いので、スミスネズミの古い型であるのかもしれない。

[宮尾嶽雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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