スール朝(読み)すーるちょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スール朝」の意味・わかりやすい解説

スール朝
すーるちょう

北インドのデリーを中心に、アフガン系のスールSūr人によってつくられた王朝(1540~55)。アフガン系の諸勢力は何派にも分かれて、徐々に北インド、ガンジス平原地方に進出してきた。その一派ロディー人はデリー・サルタナットサイイド朝を滅ぼし、ロディー朝をつくった。このロディー朝は1526年ムガル帝国の創始者バーブルに滅ぼされた。その後、スール人の勢力が強大となり、シェール・シャーの指揮下にムガル帝国第2代皇帝フマーユーンを追ってデリーを占拠スール朝をつくった。しかし、シェール・シャーの死後弱体化し、ペルシアから帰ったフマーユーンに滅ぼされた。

[小谷汪之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スール朝」の意味・わかりやすい解説

スール朝
スールちょう
Sūr

アフガン系のインド・ムスリム王朝 (1539~55) 。ムガル帝国初期,北インド地方に割拠していたアフガン系のスール族がシェール・シャーもとに勢力を伸ばし,1540年ムガル帝国第2代皇帝フマーユーンを破って建設した。スール朝はシェール・シャーの死後急速に衰退し,55年フマーユーンにデリーを奪回され,滅亡した。

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