日本大百科全書(ニッポニカ) 「セキチク」の意味・わかりやすい解説
セキチク
せきちく / 石竹
Chinese pink
rainbow pink
[学] Dianthus chinensis L.
ナデシコ科(APG分類:ナデシコ科)の耐寒性多年草。中国原産で、カラナデシコともいう。茎は叢生(そうせい)し、高さ15~40センチメートル。葉は対生し、線状披針(ひしん)形で灰緑色または淡緑色。花は茎頂に1~2個つき、径2~3センチメートル。花色は白、桃、赤、藤(ふじ)色、また覆輪のあるものもある。花弁は5枚で先端に切れ込みがあり、萼(がく)は円筒形で先端は5裂する。花期は普通は5~6月。古くから日本で栽培されていたが、近年とくに多くの園芸品種が作出され、主として花壇、鉢植えに利用される。おもな品種はブラボー、サンズン(三寸)セキチクおよびゴスン(五寸)セキチク、またこれらの改良種ファイヤーボール、スノーボールなどである。なお、古くからある品種のイセナデシコやトコナツなどにも、それぞれ改良種が多くある。
排水のよい所なら容易に栽培できる。繁殖は実生(みしょう)、挿芽、または株分けによる。実生の種類は8月下旬~9月上旬播(ま)きとする。挿芽は春、株分けは秋にする。
[魚躬詔一 2021年1月21日]