日本大百科全書(ニッポニカ) 「セラドン石」の意味・わかりやすい解説
セラドン石
せらどんせき
celadonite
雲母(うんも)の一種。化学成分の違いによって5種類に細分される。普通、土状、まれに微細な鱗片(りんぺん)状結晶をなす。変質した火山岩、とくに安山岩や玄武岩の空隙(くうげき)に、玉髄、モンモリロン石、沸石類、ぶどう石などに伴って普遍的に産する。同じく雲母の仲間で色のよく似た海緑石とは産状で区別できる。セラドンとはフランス語で海緑を意味するので、本来ならセラドン石が海緑石と訳されるべきものであった。
[松原 聰]
セラドン石(データノート)
せらどんせきでーたのーと
セラドン石
英名 celadonite
化学式 K(Mg,Fe2+)(Fe3+,Al)Si4O10(OH)2
少量成分 ―
結晶系 単斜
硬度 2
比重 3.0~3.1
色 青緑,灰緑
光沢 土状
条痕 淡灰緑
劈開 一方向に完全
(「劈開」の項目を参照)
アルミノセラドン石
K(Mg,Fe2+)(Al,Fe3+)Si4O10(OH)2
フェロアルミノセラドン石
K(Fe2+,Mg)(Al,Fe3+)Si4O10(OH)2
フェロセラドン石
K(Fe2+,Mg)(Fe3+,Al)Si4O10(OH)2
クロムセラドン石
KCrMgSi4O10(OH)2