モンモリロン石(読み)もんもりろんせき(英語表記)montmorillonite

翻訳|montmorillonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンモリロン石」の意味・わかりやすい解説

モンモリロン石
もんもりろんせき
montmorillonite

粘土鉱物の一つでスメクタイトのグループに属する。吸水しやすくコロイド状になり、もとの体積の数倍にも膨張する。主成分のうちカルシウムやナトリウムは他の陽イオンと交換できる。土壌に普遍的に含まれているほか、火山物質起源の堆積(たいせき)岩が変質を受けると、純度の高いものが生成されやすく、大規模なものはベントナイト鉱床を形成する。ベントナイトはモンモリロン石が主成分になっているもので、土木関係の地盤強化や漏水防止材、鋳物・製鉄関係の粘結材、農薬・肥料飼料の混合剤などとして利用されている。少量のモンモリロン石は、熱水鉱脈鉱床、ペグマタイトからも産出する。日本では産地が多いが、とくに東北日本にはベントナイト鉱床がよく発達している。英名は原産地フランスのモンモリロンMontmorillonに由来する。

松原 聰]


モンモリロン石(データノート)
もんもりろんせきでーたのーと

モンモリロン石
 英名    montmorillonite
 化学式   (Na,Ca)0.33(Al,Mg)2Si4O10(OH)2
       ・nH2O
 少量成分  Fe
 結晶系   単斜
 硬度    1~2
 比重    2.1~2.7
 色     白,淡黄緑,淡桃
 光沢    土状
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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