日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セールス・プロモーション広告
せーるすぷろもーしょんこうこく
sales promotion advertising
人的対面販売、マスコミ広告、PRというマーケティング諸機能を相補い、かつそれらと協力、調整しあって、より効果をあげるための一連の販売促進的広告。SP広告と略す。SP広告は、マス・メディアの反復的なインフォメーション・レベルの広告と違って、購買時点に消費者を誘導し、行動に踏み切らせるための非反復的なセールス・レベルでの広告であり、流通販売促進部門ととくに密接な関連をもっている。
一般にセールス・プロモーションとは、(1)消費者コンテストやプレミアム、消費者教育、愛用者の会など消費者に対する需要喚起、(2)系列店経営、店舗設計指導、店頭実演、トレード・ショー(見本市)など中間販売業者に対する援助、(3)販売員教育、セールス・マニュアル、社内PR誌、販売員会議など自社内関連部門に対する働きかけなど、販売促進機能を意味する。したがって需要を喚起する広告との境界線をくぎることは困難で、SP広告はその境界線上に位置する。
SP広告は大別すると次の三つに分けられる。
(1)ダイレクト・アド DM(ダイレクト・メール)広告、電話・電報による広告、新聞折込広告、戸別配布広告などのように家庭や職場において働きかける広告。
(2)ポジション・アド 屋外広告、交通広告、映画広告、浴場広告、街頭配布広告など戸外で働きかける広告。
(3)POP広告 消費者が商品を手に入れるスーパーマーケット、百貨店、小売店などに掲出される各種広告。ポイント・オブ・パーチェス広告point of purchase advertisingの略称である。
[島守光雄]