デジタル大辞泉 「そそる」の意味・読み・例文・類語 そそ・る [動ラ五(四)]1 ある感情・行動を起こさせる。さそう。「冒険心を―・る」「涙を―・る」「食欲を―・る」2 そびえたつ。「天―・り高き立山」〈万・四〇〇三〉3 ゆする。ゆり動かす。また、ゆすって選り分ける。〈日葡〉4 浮かれる。浮かれ騒ぐ。そわそわする。「まだ肌寒き川風を酒に凌しのぎて―・り行く」〈浄・油地獄〉5 遊里などを冷やかして歩く。「廊下ばかり―・りゃあがる」〈洒・辰巳之園〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「そそる」の意味・読み・例文・類語 そそ・る [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙① 高く上がる。高くそびえ立つ。[初出の実例]「神ながら 御名に帯ばせる 白雲の 千重を押し別け 天(あま)曾々理(ソソリ) 高き立山」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇〇三)② 心が浮きたつ。浮かれ騒ぐ。そわそわする。[初出の実例]「すくねさやうにむほうむたいにそそらず共、〈略〉しとやかに出たまへ」(出典:浄瑠璃・金時都いり(1664)一)③ 遊里をひやかして歩く。遊里に通う。また、遊女や遊客が妓楼内の廊下や、他の部屋をひやかして歩くことなどにもいう。[初出の実例]「蒲団とおれ斗置て、廊下斗そそりやアがる」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))④ 早口そそりをする。→そそり⑤。[初出の実例]「うかへたるやうなれど、はや口に、詞そそりたり」(出典:評判記・満散利久佐(1656)小葭)[ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙① 物を揺り動かす。ゆする。[初出の実例]「唯骨鏁のみ在り。尋ち復之を漉(ソソリ)て熱き鉄の地上に置きて」(出典:石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六)② (ある感情・行動などを)起こさせる。浮かれさせる。あおる。うながす。さそう。[初出の実例]「お神楽がはじまった、サアお急ぎとそそれば」(出典:浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)一)「それが何故だか彼の好奇心を唆(ソソ)った」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一七九)③ 選びわける。選別する。〔色葉字類抄(1177‐81)〕④ すする。[初出の実例]「かんじきをはいておじやをそそってる」(出典:雑俳・柳多留‐一四一(1835)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例