ソロン族(読み)そろんぞく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソロン族」の意味・わかりやすい解説

ソロン族
そろんぞく

中国北部の興安嶺(こうあんれい/シンアンリン)一帯嫩江(どんこう)流域に住むツングース系の人々。中国では「索倫」と表記する。現在ではエベンキ人の一グループとされることが多い。農耕牧畜も行うが狩猟を得意としたため、ダフール人らとともに清(しん)代には八旗制に編入され、とくにプトハ八旗、メルゲン八旗の主力となり、北方防備、また西方に転戦した。現在、新疆(しんきょう/シンチヤン)ウイグル自治区の塔城県と霍城(かくじょう)県にその兵士の子孫が残っている。文化は満洲族やダフール人の影響を強く受けている。出自父系。宗教はシャーマニズム的。

[板橋作美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソロン族」の意味・わかりやすい解説

ソロン(索倫)族
ソロンぞく
Solon

中国内モンゴル自治区の北部に居住するエベンキ族をさす旧称。 1957年以降は鄂温克 (エベンキ) 族と書く。人口2万 7000 (1990) 。エベンキは自称で,周辺諸民族はソロン,ヤルチェン,ヤクート,ツングースなどと呼んできた。遊牧しながら牛馬を飼育し,狩猟および農業で補う。外婚制氏族を社会組織の基礎にしている。北方ツングース語系諸族一般に共通した文化を保ちながらも,モンゴル人満州族漢民族の各文化から大きな影響を受けており,また複雑な移動を余儀なくされた歴史をもっている。

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