改訂新版 世界大百科事典 「タッパー」の意味・わかりやすい解説
タッパー
Charles Tupper
生没年:1821-1915
カナダの政治家。保守党に属する。ノバ・スコシア植民地首相(1864-67)として政敵J.ハウの反対にもかかわらずノバ・スコシアをコンフェデレーション参加へ導き,〈カナダ建国の父〉の一人として知られる。ハウの影響力の強かったノバ・スコシアではその後連邦脱退の動きが強まるが,タッパーの尽力により鎮静化。第2次マクドナルド内閣に鉄道運河担当相として入閣(1879-84)し,1885年に完成するカナダ・パシフィック鉄道の敷設に携わる。1883年に初代高等弁務官としてロンドンに赴任。その間16ヵ月(1887-88)蔵相就任のためオタワに戻ったほかは,96年までその職にあった。1891年のマクドナルドの死後,人材を得ず首相選出が難航していた保守党は,96年にタッパーを4人目の首相に選出するが,在任わずか2ヵ月で総選挙に敗れ,1900年には党首も辞することになった。
執筆者:大原 祐子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報