日本大百科全書(ニッポニカ) 「タテガミオオカミ」の意味・わかりやすい解説
タテガミオオカミ
たてがみおおかみ / 鬣狼
maned wolf
[学] Chrysocyon brachyurus
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。ブラジル東部からアルゼンチン北部までのパンパにすむが少ない。南アメリカ最大のイヌ類で、体長105~125センチメートル、尾長30~45センチメートル、肩高75~87センチメートル、体重約23キログラムに達する。四肢が極端に細長く、耳介が大きく、頸筋(くびすじ)と肩に黒いたてがみがある。体は赤褐色、前肢と後肢の下部は黒褐色、あごの下面、耳介の前面と尾端は白色。四肢が長いのは走るためでなく、丈の高い草やぶを歩くのに適応したものである。単独でおもに夜出歩き、果実、ウサギ、パカ、ネズミ、鳥、トカゲ、昆虫などを食べ、性質は穏和である。6~9月に2~3子を産む。たてがみと背の毛を立てて威嚇する。
[今泉吉典]