日本大百科全書(ニッポニカ) 「パカ」の意味・わかりやすい解説
パカ
ぱか
paca
[学] Agouti paca
哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目パカ科の動物。メキシコ南部から、ブラジル南部やパラグアイにかけて分布し、キューバにも導入されている。樹木の茂った川岸や湖沼の周辺に生息する。頭胴長60~80センチメートル、尾長2~3センチメートル、体重6~10キログラム。身体は頑丈で、四肢は短い。前足に4指、後足に5指がある。耳は小さく、頭は大きく頭骨の頬骨(きょうこつ)弓は横に大きく張り、共鳴室を形成している。体色は褐色から黒色で、体側には楕円(だえん)形の白色斑(はん)が4列並ぶ。夜行性で、水辺の斜面に巣穴を掘り、植物の茎葉、根、果実などを食べる。妊娠期間は118日で、早春に2子を産む。生まれた子は700グラムもあり、寿命は16年以上である。
[土屋公幸]