タヌム

百科事典マイペディア 「タヌム」の意味・わかりやすい解説

タヌム

スウェーデン南部のスカゲラク海峡に面した小村。紀元前1500年〜紀元前500年に描かれた青銅器時代岩絵が周辺に多く残っている。岩絵は船,車輪のついた乗り物,武器,野生動物太陽など多岐にわたっており,当時の生活や宗教観を伝えてくれる。文字の無い時代に岩のスケッチブックを介して,意思疎通を図ったのである。この一帯は〈先史時代の画廊〉ともよばれた。これら岩に描かれた線刻画は1994年,世界文化遺産に登録。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タヌム」の意味・わかりやすい解説

タヌム
Tanum

スウェーデンの南西部,ノルウェー国境の南約 35kmに位置する地区。谷沿いの岩壁面に描かれた多数の線刻画で知られる。何千年もの間に氷河に削られてなめらかになった花崗岩表面に,前 1000~500年頃の人々が何代にもわたって描き続けたものと考えられている。人間や動物,船などが抽象化され線で刻み込まれ,自然な彩色が施されている。雄大さと繊細さが融合した芸術性の高い表現法をとっていることで,世界の他の地域に残された岩壁画特徴を異にする。 1994年世界遺産の文化遺産に登録。

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