タブラ・ラサ(英語表記)tabula rasa

翻訳|tabula rasa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タブラ・ラサ」の意味・わかりやすい解説

タブラ・ラサ
tabula rasa

ろうなどを引いた書字板の字を削り消して何も書き込まれていない状態にした書字板,すなわち白紙状態の意。感覚論において魂は,外部からの刺激による経験をまって初めて,観念を獲得するとされているが,その経験以前の魂の状態をいう。この立場では観念の生得性は否定され,知覚において精神は受動的に働くと考えられる。ロックの用語とされるが,古くからある概念プラトン,ストア派,特にアリストテレスに同様の考えがあり,タブラ・ラサというラテン語はアリストテレスの訳語としてローマアエギディウスが考案したとされる。その後アルベルツス・マグヌストマス・アクィナスが用いて定着した。

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