翻訳|tabloid
スタンダード判、あるいはブランケットblanket判とよばれる普通サイズの新聞の約半分の判型、およびその型の新聞。語義としては「要約し、圧縮した」という意味があり、19世紀にアメリカで大衆向けの小型廉価の新聞が出され、これがタブロイド新聞とよばれるようになった。記事は短く平易で、写真やイラストを大きく扱う特徴がある。大衆受けする事件があると、はでに扱い、たくさんの部数が刷られ、街で売りに出された。こうした欧米の、いわゆる「ブールバール新聞」(街売りの新聞)にはタブロイドのものが多い。アメリカの『デーリー・ニューズ』、イギリスの『デーリー・ミラー』は大部数のタブロイド大衆紙として成功した。
日本では商業紙としてのタブロイド新聞は、第二次世界大戦後『サン写真新聞』(1946~60)などで試みられたが、長続きしなかった。しかし、1960年代、高度成長期になると、団地新聞、フリー・ペーパーでタブロイド新聞が盛んになり、タブロイド判夕刊専門紙『夕刊フジ』(1969創刊)、『日刊ゲンダイ』(1975創刊)の成功も手伝って、一般紙の付録(別刷り、サプルメントsupplement)、夕刊などでタブロイド化がみられるようになっている。
[桂 敬一]
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