判型(読み)はんけい

精選版 日本国語大辞典 「判型」の意味・読み・例文・類語

はん‐けい【判型】

〘名〙 =はんがた(判形)

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デジタル大辞泉 「判型」の意味・読み・例文・類語

はん‐けい【判型】

はんがた(判型)2

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改訂新版 世界大百科事典 「判型」の意味・わかりやすい解説

判型 (はんけい)

書籍,雑誌のほか,事務用品など紙加工品の仕上がり寸法を指す。判形とも書き〈はんがた〉とも読む。元来,用紙の大きさに由来し,和紙と洋紙に大別される。和紙による和装本の代表的な大きさには,美濃判半紙判がある。美濃紙書院紙ともいう)を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(300mm×210mm)を美濃判または美濃本という。半紙を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(250mm×170mm)を半紙判または半紙本という。また,美濃本より大きい形の本を大本(おおほん)といい,美濃本の半分の大きさの本を中本(ちゆうほん),半紙本の半分以下の大きさの本を小本(こほん)という。ほかに,枡(ます)のように正方形または正方形に近い形の枡形本がある。なお古書店では,半紙判の本を中本ということもある。

 洋紙による洋装本の大きさには,四六判,菊判および規格判のA列本判,B列本判の系列がある。四六判は,明治初年に輸入されたイギリスの規格クラウン)が基礎になったもので,日本工業規格JIS)ができあがるまでは菊判とともに洋紙寸法の基準になっていた。原紙寸法は788mm×1091mmで,規格のB列本判(765mm×1085mm)に相当し,長辺を順次折ることによって,四六判系の書籍,雑誌その他の紙加工品がつくられる。原紙寸法が美濃判のほぼ8倍の大きさに近いことから,はじめは〈大八ッ判〉といわれていた。また原紙寸法を32に裁断して仕上げると,横4寸2分,縦6寸1分の本になることから,〈大八ッ判〉に代わって,いつしか〈四六判〉といわれるようになった。したがって,四六判というとき,原紙寸法を指すときと,判型の大きさを指すときがある。なお四六判は,規格のB6判(128mm×182mm)に当たり,その2倍の判型を四六倍判(188mm×254mmが標準)といい,規格のB5判(182mm×257mm)に当たる。菊判の原紙寸法は636mm×939mmで,規格のA列本判(625mm×880mm)よりやや大きく,長辺を順次折ることによって,菊判系の書籍,雑誌その他の紙加工品がつくられる。日本工業規格ができるまでは,四六判とともに洋紙寸法の基準になっていた。原紙寸法を16に裁断した大きさの本を菊判(152mm×218mmが標準)といい,規格のA5判(148mm×210mm)に近い。菊判の倍の大きさを菊倍判(218mm×303mmが標準)といいA4判(210mm×297mm)に当たる。また,菊判の長辺を二つに折った大きさの本を菊半裁判(109mm×151mm)といい,A6判(105mm×148mm)に当たる。菊判というとき,四六判と同じく,原紙寸法と判型の大きさを指す場合がある。菊判の名称の由来ははっきりしないが,一説によると,もともと新聞用紙として1882年ころに輸入されたものらしい。輸入商の川上正助商店では新聞の〈聞〉は〈キク〉とも読むことから,菊花印のラベルを添付して売り出した。その菊花印から菊判といわれるようになったものだという。

 洋紙の仕上がり寸法の規格は(図参照),1929年12月に制定された,〈紙ノ仕上寸法〉(日本標準規格第92号)に始まる。A列,B列からなり,A列はドイツDIN(Deutsch Industrie Normen)のA列をそのまま採用し,面積は1m2,縦と横の長さの比が1:\(\sqrt{2}\)となるように841mm×1189mmを基本として,これA列0番とした。そして,長辺を二つ折りにしたものをA列1番(A1判)とし,以下長辺を二つ折りにし順次A列12番(A12判)までとし,各大きさはすべて相似形となる(B列も同様)。B列は,A列との面積の比は1:1.5,縦と横の長さの比は1:\(\sqrt{2}\)とし,1030mm×1456mmを基本にして,これをB列0番とした。そして,長辺を二つ折りにしたものをB列1番(B1判)とし,以下長辺を二つ折りにし順次B列12番(B12判)までとした。また,〈紙ノ仕上寸法〉に対し,原紙寸法が次のように制定された。A列625mm×880mm(許容差+6mm)。B列765mm×1085mm(許容差+6mm)。40年に小判の原紙寸法が追加された。A列本判,B列本判に対する規格寸法のことで,本判は製本などの加工に必要なゆとりが見込まれている。それに対し小判は,便箋や罫紙など枚葉のまま使われ,加工に際してゆとりを必要としないものに用いられる。A列小判は608mm×856mm,B列小判は745mm×1047mmである。日本標準規格は57年に若干手直しされ,日本工業規格別表に引き継がれて現在にいたっている。なお規格外のものとして,四六判,菊判のほか,A20取,B40取(新書判,仕上がり寸法103mm×182mm),AB判(〈ワイド判〉ともいい,グラフィック誌に多用されている。原紙寸法880mm×1085mm,仕上がり寸法210mm×257mm)などがある。
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図書館情報学用語辞典 第5版 「判型」の解説

判型

(1)図書の大きさ.用紙の大きさに関係し,日本では次のような歴史的変遷がある.〈1〉和紙を用いた和装本の大きさで,美濃紙や半紙を用いた美濃判,半紙判.〈2〉明治初期からの洋紙を用いた洋装本の大きさで,菊判,四六判など.〈3〉日本工業規格(JIS)に定められ,現在に及んでいるもの.規格判.A列とB列の2系統あり,各0号から12号からなる大きさ.例えばA4判,B5判などと呼ばれている(A4判はA列0号を4回二つ折りした大きさ,B5判はB列0号を5回二つ折りした大きさのこと).また,規格外のものとしてA判20取,B判40取(新書判)などがある.(2)西洋で,全紙を折り畳んだ回数で示す言葉の総称.例えば,全紙を1回折って4ページにした二つ折り判(フォリオ判,folio),2回折った四つ折り判(クォート判,quato)などがある.希書の記述のように詳細な書誌記述を行う場合に用いる.

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「判型」の解説

判型

印刷用紙のサイズおよび規格、または書籍の仕上がりサイズ。JIS規格ではA判系列とB判系列の2つがある。A4やB5などのサイズは、この規格に基づいている。米国の判型でよく用いられるものには、レターやリーガルがある。

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