被災地や戦跡、公害の発生地といった悲劇の地を巡る旅行。「負の歴史」を学び教訓とすることなどが目的で、国際的にはポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡やウクライナのチェルノブイリ、被爆地の広島・長崎などが知られる。1990年代に欧州で提唱され、東日本大震災後、文化人らが東京電力福島第1原発の一帯を観光地化する構想を提言したことで日本でも認知度が上昇した。2013年には「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補に選ばれた。
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(若林朋子 ライター/2016年)
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大規模災害の被災地、戦争の激戦地など多くの人が犠牲になった場所を訪ねる、観光の一ジャンル。娯楽を目的とした通常のツーリズムと区別した呼称である。「ブラックツーリズム」black tourism、「悲しみのツーリズム」grief tourismなどともよばれる。ダークツーリズムの主要なスポットとしては、日本の広島平和記念公園、オシフィエンチム(ポーランド)のアウシュビッツ‐ビルケナウ博物館、ニューヨークのグラウンド・ゼロ(アメリカ同時多発テロにより倒壊したツインタワービル跡地)、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所跡地などがある。ダークツーリズムの基本的な目的は、その悲惨さを後世に伝えていくために関連施設を保存すること(保全目的)や、現地を訪れることで災害や戦争の悲惨さを追体験すること(学習目的)にある。ただし、周辺は宿泊施設や土産(みやげ)店などが立ち並ぶ観光スポットになるため、被害者や遺族の悲しみをビジネスに利用しているに過ぎないとの批判もある。また、併設される資料館などには中立的立場を逸脱し、政治的に偏った立場からの展示がなされることが多い点も批判の対象になっている。日本では福島第一原子力発電所の跡地をダークツーリズムの対象地として後世に残そうという動きがある。
[編集部]
(2013-9-12)
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