ダーリング川(読み)だーりんぐがわ(英語表記)Darling

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダーリング川」の意味・わかりやすい解説

ダーリング川
だーりんぐがわ
Darling

オーストラリア南東部にある同国最長の川。マリー川に流入するが、マリー川とともにマリー(またはマリー・ダーリング)水系を構成する重要河川。長さ2736キロメートル。ニュー・サウス・ウェールズ州北東部およびクイーンズランド州南東部の山地に発する多くの支流をあわせ、バーク、ウィルカニアを経て南西流し、ミルジュラの西でマリー川に合流する。年間を通して地表流のみられるのはバーク付近など一部にすぎず、本流の大半は季節河川、支流のほとんどが間欠河川である。上流部の支流には貯水池が建設され、付近の農業灌漑(かんがい)に利用される。とくにナモイ川流域の綿作が知られている。下流のメニンディー貯水池(1960年完成、貯水容量18億立方メートル)の水は牧畜用灌漑に利用されるほか、110キロメートル余り北西の鉱山都市ブロークン・ヒルに送水管で送られている。1829年探検家C・スタートが調査。名称は入植当時のニュー・サウス・ウェールズ総督名に由来。

[谷内 達]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダーリング川」の意味・わかりやすい解説

ダーリング川
ダーリングがわ
Darling River

オーストラリア南東部を流れるマレー川支流。上流は多くの支流に分れる。全長 2740km。そのうち直接ダーリング川と呼ばれる部分は約 1900km。グレートディバイディング山脈やダーリングダウンズ地方に源を発し,ニューサウスウェールズ州北西部を南西流し,ウェントワースでマレー川に注ぐ。 1828年に調査した C.スタートによって,当時のニューサウスウェールズ州総督 R.ダーリングにちなんで命名。水源地帯の降水が一定せず,蒸発が激しいので,水量の変動が著しい。中流以下は乾燥したマレー=ダーリング盆地を流れ,農牧用灌漑に利用され,流域にはヒツジの牧場が多い。中流にバーク,下流にメニンディーの町があり,バークまで船が通じていたこともある。メニンディーに貯水池があり,水量調節のかたわらブロークンヒルの水源となっている。

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