日本大百科全書(ニッポニカ) 「チオテパ」の意味・わかりやすい解説
チオテパ
ちおてぱ
thiotepa
抗悪性腫瘍(しゅよう)薬(制癌(がん)剤)、アルキル化剤。内服では慢性リンパ性および骨髄性白血病に、他剤と併用して悪性リンパ腫、胃癌、肺癌、乳癌などの緩解に使用される。注射では慢性リンパ性および骨髄性白血病、乳癌、卵巣癌、膀胱(ぼうこう)腫瘍、他剤と併用して悪性リンパ腫、細網肉腫、肺癌、胃癌などが適応症とされている。副作用は骨髄機能抑制、好中球・血小板減少、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、食欲不振、頭痛などがみられる。錠剤(2ミリグラム含有)、注射液(0.5ミリリットル中5ミリグラム含有)が市販されている。内服は1日1回4~12ミリグラム、注射は1日1回3~15ミリグラムを静脈注射、筋肉注射、動脈注射で用いる。極量は1日15ミリグラム(経口)、1回15ミリグラム(皮下、筋肉内、動脈内)。
[幸保文治]