チオテパ(読み)ちおてぱ(英語表記)thiotepa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チオテパ」の意味・わかりやすい解説

チオテパ
ちおてぱ
thiotepa

抗悪性腫瘍(しゅよう)薬(制癌(がん)剤)、アルキル化剤。内服では慢性リンパ性および骨髄性白血病に、他剤と併用して悪性リンパ腫胃癌肺癌、乳癌などの緩解に使用される。注射では慢性リンパ性および骨髄性白血病、乳癌、卵巣癌膀胱(ぼうこう)腫瘍、他剤と併用して悪性リンパ腫、細網肉腫、肺癌、胃癌などが適応症とされている。副作用は骨髄機能抑制、好中球・血小板減少、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、食欲不振、頭痛などがみられる。錠剤(2ミリグラム含有)、注射液(0.5ミリリットル中5ミリグラム含有)が市販されている。内服は1日1回4~12ミリグラム、注射は1日1回3~15ミリグラムを静脈注射、筋肉注射、動脈注射で用いる。極量は1日15ミリグラム(経口)、1回15ミリグラム(皮下、筋肉内、動脈内)。

[幸保文治]

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化学辞典 第2版 「チオテパ」の解説

チオテパ
チオテパ
thiotepa

1,1′,1″-phosphorothioyltriaziridine.C6H12N3PS(189.22).塩化チオホスホリルエチレンイミンより得られる.融点51.5 ℃.水に可溶有機溶媒に易溶.アルキル化剤の一つで,ホジキン病リンパ肉腫,そのほか上皮性腫瘍など抗悪性腫瘍剤として使用される.LD50 15 mg/kg(マウス静注).[CAS 52-24-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チオテパ」の意味・わかりやすい解説

チオテパ
thio-TEPA

テスパミンともいう。制癌剤の一種。癌細胞の毒になるものを与えて制癌効果を期待するもの。テム (TEM) ,テパ (TEPA) に次ぐ改良品。白血病などに用いられている。

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世界大百科事典(旧版)内のチオテパの言及

【制癌薬】より

…以下かっこ内は商品名を指す)が生まれた。臨床的によく用いられるものとして,シクロホスファミド(エンドキサン),カルボコン(エスキノン),チオテパ(テスパミン),ニムスチン(ニドラン)などがある。またこのほかに,ブスルファン(マブリン),ピポブロマン(アメデール),インプロスルファン,別名864T(プロテクトン),メルファラン(アルケラン)およびミトブロニトール(ミエブロール)の5種類が臨床に供せられている。…

※「チオテパ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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