日本大百科全書(ニッポニカ) 「チチコグサ」の意味・わかりやすい解説
チチコグサ
ちちこぐさ / 父子草
[学] Gnaphalium japonicum Thunb.
キク科(APG分類:キク科)の多年草。根際から根茎を出して殖える。根出葉は線形で、上面は緑色であるが、下面は綿毛が密生して白色となる。5~10月、高さ20~30センチメートルの花茎の頂端に約10個の頭花が密集してつく。小花には2型あって、中央のものは管状で両性花、周辺のものは糸状で雌性花である。総包は鐘形で長さ5ミリメートル、総包片は暗褐赤色を帯びる。痩果(そうか)は長さ1ミリメートルと小さく、冠毛は白色で長さ3ミリメートル。平地の人家近くの道端や野原に生え、日本全土、東アジアに広く分布する。名は、全体がハハコグサに似るが、葉の上面が無毛でやや堅い感じを与えるところから、母に対する父を連想してつけられた。
[小山博滋 2022年3月23日]