精選版 日本国語大辞典「母子草」の解説
ははこ‐ぐさ【母子草】
〘名〙 (「はわこぐさ」の時代も) キク科の越年草。東アジアの温帯から熱帯に広く分布し、田畑・路傍にふつうにみられる。高さ一〇~四〇センチメートル。全体に白い綿毛を密布する。葉は線状へら形で縁はやや波状、基部は茎を抱く。春から夏にかけ、茎端に黄色の小さな頭花が球状に多数集まって咲く。果実には黄白色の冠毛がある。春の七草の一つで、ゴギョウ(オギョウ)といい、若い茎・葉は食べられる。葉は餠に入れて草餠をつくり、またせき止め薬にもなる。漢名、鼠麹草。ほうこぐさ。こうじばな。《季・春》
※文徳実録‐嘉祥三年(850)五月壬午「田野有レ草。俗名二母子草一。二月始生」
ほうこ‐ぐさ はうこ‥【母子草】
〘名〙
① 植物「ははこぐさ(母子草)」の異名。《季・春》
※虎明本狂言・若菜(室町末‐近世初)「はうこぐさをさかなに、いざや酒のまふよ」
※俳諧・鷹筑波(1638)四「野原出てやむつきの末にはふこ草〈長元〉」
② 植物「ばいも(貝母)」の異名。〔運歩色葉(1548)〕
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