チャンディ(英語表記)candi; chandi; tjandi

改訂新版 世界大百科事典 「チャンディ」の意味・わかりやすい解説

チャンディ
candi

インドネシアのジャワ島に残る石造の霊廟をいう。8世紀より15世紀までの遺構が残っており,現存する遺構の名前の頭にチャンディという名称が添えられる。ブロック状に切られた方形の石を水平に積み上げて造られ,その内部には遺灰が納められ,さらに仏像神像が安置され,礼拝の場となる。チャンディは仏教あるいはヒンドゥー教のもので,代表的なものに仏教のボロブドゥール,ヒンドゥー教ではプランバナン遺跡群のなかのロロ・ジョングランがある。〈チャンディ〉は古代ジャワ語(カウィ語)で,その語源一説にヒンドゥー教の死の女神ドゥルガーの別名チャンディカに由来するという。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャンディ」の意味・わかりやすい解説

チャンディ
candi; chandi; tjandi

インドネシア語で寺の意。広義には 15世紀以前のインドネシアの宗教建築において,祠堂ストゥーパビハーラ,霊水沐浴場,洞窟などの総称として用いられる。通常はイスラム教以外の主としてヒンドゥー教,仏教の寺院をいう。また,寺院の全体ではなく,個々の堂や塔をさすことも多い。

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世界大百科事典(旧版)内のチャンディの言及

【インドネシア】より

…それは16世紀以降,イスラムが浸透したため,造形活動が弱まり,古代インドネシアの伝統美術がまったく衰退したからである。 インドネシアの美術は,一般にチャンディと称する遺構に伴って残存している。チャンディとは祖先の霊をまつる霊廟にあたるが,火山岩の切石を積み上げて建てた寺院建築である。…

※「チャンディ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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