インドネシア語(読み)いんどねしあご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「インドネシア語」の意味・わかりやすい解説

インドネシア語
いんどねしあご

オーストロネシア(マライ・ポリネシア)語族ヘスペロネシア語派の一言語。第二次世界大戦前の名称ではマレー語という。インドネシア共和国の公用語で、マレーシアのマレー語とあわせると言語人口はほぼ1億3000万人に達し、世界でも第6位の大言語である。インドネシア語Bahasa Indonesiaという呼称は、まだオランダの支配下にあった1928年、全国青年インドネシア会議における「青年の誓い」で採択されたことに始まるが、公用語となるのは1945年の独立以降のことである。前身としてのマレー語はスマトラ島東部沿岸の一地方語であったが、すでに7世紀には島々の間で交易のための共通語として用いられていた。現在も、ジャワ語を最大とする各地方語のうえに君臨して、インドネシアの国家的統一を図るのに貢献している。7世紀には南インドのパッラバ文字が使用されていたが、14世紀ごろからはイスラム教渡来とともにアラビア文字にかわり、そしてオランダ時代にはローマ字化が進んで、現在、インドネシア語とマレーシア語とは統一したローマ字表記法をもつに至っている。文法核心となるのは接辞法で、その用法にはかなり複雑な点があり、十分に使いこなすには相当の練習を必要とする。

崎山 理]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インドネシア語」の意味・わかりやすい解説

インドネシア語
インドネシアご
Indonesian language

インドネシアの公用語。マレー語と実質的に同じであるが,1945年の憲法では,特にインドネシア語 (バハサ・インドネシア) と呼んでいる。マレーシアのマレー語とは,正書法のうえでいくつかの相違があったが,それも 72年以降,大幅に歩み寄った。

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