鳳仙花(読み)ほうせんか

精選版 日本国語大辞典「鳳仙花」の解説

ほうせん‐か ‥クヮ【鳳仙花】

〘名〙 ツリフネソウ科一年草。東南アジア原産で、観賞用に栽培される。全草柔らかく多汁質で高さ三〇~六〇センチメートル。葉は有柄で互生し、披針形で縁に細鋸歯がある。夏、葉腋に不整斉花が二~三個ずつ横向きに咲く。花は白・桃・赤など、絞りや八重咲きのものもある。果実は紡錘形。熟したものに触れると種子を散らす。古くは花を爪紅(つまべに)に用いた。漢名、鳳仙花。つまくれない。ほねぬき。つまべに。《季・秋》 〔尺素往来(1439‐64)〕
片われ月(1901)〈金子薫園〉「鳳仙花照らすゆふ日におのづからその実のわれて秋くれむとす」 〔薩都剌‐題呂城葛観詩〕
[語誌](1)中国では宋代の本草書に見え、日本にも中国から渡来したものと思われる。
(2)異名ホネヌキは、魚の骨が喉にささった時、この種子を服用すれば骨が軟らかくなってとれると信じられていたところからの命名

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デジタル大辞泉「鳳仙花」の解説

ほうせん‐か〔‐クワ〕【×鳳仙花】

ツリフネソウ科の一年草。高さ約60センチ。葉は長楕円形で互生する。夏から秋、葉のわきに花を横向きにつけ、色は赤・桃・白色や絞りなど。実は熟すと破れて種子を飛散する。インド・中国の原産で、日本には古く渡来。花びらをもみつぶして爪を染めたことから爪紅つまくれない・つまべにともよぶ。 秋》「降り足らぬ砂地の雨や―/久女

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動植物名よみかた辞典 普及版「鳳仙花」の解説

鳳仙花 (ホウセンカ・コウセンカ)

学名lmpatiens balsamina
植物。ツリフネソウ科の一年草,園芸植物,薬用植物

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世界大百科事典 第2版「鳳仙花」の解説

ほうせんか【鳳仙花】

朝鮮近代芸術歌曲のうち,最も有名な作品。1920年ころの作曲。洪蘭坡(本名・洪永厚。1897‐1941。京畿道水原出身)が小説《乙女の魂》を出版するとき,本の扉に〈哀愁〉と題するバイオリン曲を作曲して楽譜をのせたのが原曲である。その美しい旋律を見た音楽家金享俊は,〈垣根の陰に咲く鳳仙花よ,君の姿はあわれなれば〉(第1節前半)と,当時の朝鮮の人々のおかれた不当な状況を比喩して作詞した。この曲を,有名なソプラノ歌手金天愛が狂わんばかりの独特の唱法でうたって以来,全国的に広がった。

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