テオフィルス(英語表記)Theophilus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオフィルス」の意味・わかりやすい解説

テオフィルス
Theophilus

[生]?
[没]842.1.20. コンスタンチノープル
ビザンチン皇帝 (在位 829~842) 。ミカエル2世の息子。教養が高く,イスラム文化と芸術に傾倒ハールーン・アッラシードの影響を受けた。また衰退していたコンスタンチノープル大学も再興。他方聖画像破壊令を支持し,違反者を厳罰に処した。バイキングマジャール人に対抗し,北方の国境防衛に努め,また小アジアのテマ・パフラゴニア,カルディアなどの整備に努力した。しかしイスラムの侵攻東西に受け,パレルモ (831) ,アンカラ (838) を失った。

テオフィルス
Theophilus

『諸芸提要』 De diversis artibus (1110~40頃) の著者として有名な,12世紀ベネディクト派のドイツ修道士。現在パデルボン大聖堂宝物庫にある携帯用祭壇を造った (1100) 修道士ヘルマルスハウゼンのロジェと同一人とする説もある。『諸芸提要』では絵画ステンドグラス金工などの技法を詳述し,ヨーロッパで初めて紙と油絵法についても言及している。

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