ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディオ・カッシウス」の意味・わかりやすい解説
ディオ・カッシウス
Dio Cassius; Cassius Dio Cocceianus
[没]235
古代ローマの政治家,歴史家。 194年法務官 (プラエトル ) ,205年補充執政官 (コンスル ) ,229年執政官,以後ニカイアに引退。主著は建国から 229年までのギリシア語による『ローマ史』 Rōmaikē historia (80巻) で,そのうち 36~54巻 (前 68~10) は 36巻を除いて完全に現存,55~60巻 (前9~後 46) は不完全だが,残存。またのちの著述家によって 36~80巻および1~21巻についても概要は知られている。十分な準備調査をもって書かれ,文体も率直である。共和政時代はリウィウスにより,あまり信頼はおけないが,帝政期の記述は執政官の経歴を生かしたもので重要な史料となっている。叙述はアッチカ風を取入れ,ツキジデスにならい政治史に重点をおいている。ほかにアリアノス,セプチミウス・セウェルスに関する著作もある。
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