ディンカ族(読み)ディンカぞく(英語表記)Dinka

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディンカ族」の意味・わかりやすい解説

ディンカ族
ディンカぞく
Dinka

南スーダン北部のナイル川沿岸のサバナに居住するナイル語系の牛牧民。人口は 21世紀初頭で 400万人以上。乾季には川辺ウシ放牧を行ない,雨季には丘上の定住地に帰り,トウモロコシ栽培を行なう。複合家族が社会組織の最小単位であるが,政治単位としては遊牧キャンプが集まって下位分節となり,それらが 1000~3万人の多くの社会集団を形成する。これらの集団は分散して自律的単位をなし,首長をもたない。伝統的に神話で認められた集団の精神的指導者である祭司は,各父系氏族から出る。ウシは経済上ばかりでなく,婚資犠牲獣ともなる価値の中心である。

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