デュロンPierre Louis Dulong(1785-1838)とプティAlexis Thérèse Petit(1791-1820)によって1819年に発見された,固体の定積モル比熱Cvについての経験法則。固体が何であるかによらずCv=3R(Rは気体定数)であるとする。古典的なエネルギー等分配の法則で説明されるが,低温では量子性が表れるために成り立たない。
→アインシュタインの比熱式
執筆者:小林 俊一
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…固体中で分子が格子振動するときには,さらに位置エネルギーが加わるが,これに対しても,運動エネルギーと同様,3/2kTの熱エネルギーが分配される。その結果,固体では分子は全体で3kTの熱エネルギーをもつようになり,モル比熱がほぼ3R(Rは気体定数)になるというデュロン=プティの法則が導かれる。ただし,これらの法則は低温になって量子効果が働く場合には成立しない。…
…アルゴンなどの単原子気体では定積モル比熱Cvは3/2R,水素,酸素などの2原子気体ではCv=5/2R,多原子気体ではCv=3Rに近い。 固体の比熱に関しては,その定積モル比熱Cvが3Rに等しいというデュロン=プティの法則や,アインシュタインによるアインシュタインの比熱式,これを改良したデバイによるデバイの比熱式がある。デバイの比熱式は,格子振動を連続体の弾性振動(縦波と二つの横波)でおきかえることによって導かれたもので,絶対温度をTとして,と表される。…
※「デュロンプティの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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