とかや(読み)トカヤ

デジタル大辞泉 「とかや」の意味・読み・例文・類語

と‐か‐や

[連語]《格助詞「と」+係助詞「か」+間投助詞「や」》
1 他から伝え聞くなど、不確かであることを表す。
㋐文中用法。…とかいう物・事・人・所の意を表す。
「一言芳談―名づけたる草子を見侍りしに」〈徒然・九八〉
㋑文末用法。…とかいうことだ。
「近き世にぼろんじ、梵字、漢字など云ひける者、その始めなりける―」〈徒然・一一五〉
2 断定を避け、詠嘆の意を添える。
「逆縁(=通リスガリノ縁)ながら弔とふ―」〈謡・笠卒都婆〉

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精選版 日本国語大辞典 「とかや」の意味・読み・例文・類語

と‐か‐や

  1. ( 格助詞「と」に係助詞「か」が付き、さらに間投助詞「や」の付いたもの )
  2. ① ( 文中または文末にあって ) 不確実な伝聞を表わす。…とかいって。…とかいうことである。…とかいうことだなあ。
    1. [初出の実例]「かしこにも、いとなさけなしとかやあらん、廿よ日、おとづれもなし」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「夕霧立ち寄り主従ともに、恨みの砧打つとかや」(出典:謡曲・砧(1430頃))
  3. ② ( 文中の名詞に付けて ) …とかいう人・物・所・事などの意で、体言の資格となって用いられる。
    1. [初出の実例]「人ごとに、湊河とかやの下にて討たれにしとはいへども」(出典:高野本平家(13C前)九)
    2. 「なにがしの大納言とかやは」(出典:徒然草(1331頃)一〇七)

とかやの補助注記

①の挙例の「砧」のように、謡曲などでは、伝聞というよりも、断定的な表現を避けた、詠嘆的な意を表わす用法がみられる。

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