精選版 日本国語大辞典「とっと」の解説
とっ‐と
〘副〙
① 距離的にまたは時間的にはなはだしく離れているさまを表わす語。はるか。ずっと。
※巨海代抄(1586‐99)上「是はとっとの老者などのなりだ。とっと老倒すれば常が病者などの様にうっととするものだ」
② 物事の程度が、比較してはなはだしいさまを表わす語。ずっと。一段と。
※両足院本山谷抄(1500頃)一二「其田を耕せば耒をとっと深くほれぞ」
③ 状態や程度をそれと認めながら強調する気持を表わす語。まったく。まことに。まるで。とと。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)二「むらさきたびをはく者はとっと気のとをらぬ御かたなり」
④ 急に勢いよく動くさまを表わす語。
※両足院本山谷抄(1500頃)一二「轡を勒と云時は馬のとっとかけづるをしっと引てとむる心ぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報