とっと(読み)トット

デジタル大辞泉 「とっと」の意味・読み・例文・類語

とっ‐と[副]

[副]
時間場所などのはるかにへだたっているさま。ずっと。
「―前から藤袴契約ありと申さば」〈浄・反魂香
状態程度を強調する意を表す。まったく。まことに。
「―不弁な人でござったが」〈咄・鹿の巻筆・二〉

とっと[名]

魚・鶏・鳥などをいう幼児語。とと。

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精選版 日本国語大辞典 「とっと」の意味・読み・例文・類語

とっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 距離的にまたは時間的にはなはだしく離れているさまを表わす語。はるか。ずっと。
    1. [初出の実例]「是はとっとの老者などのなりだ。とっと老倒すれば常が病者などの様にうっととするものだ」(出典:巨海代抄(1586‐99)上)
  3. 物事の程度が、比較してはなはだしいさまを表わす語。ずっと。一段と。
    1. [初出の実例]「其田を耕せば耒をとっと深くほれぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)一二)
  4. 状態や程度をそれと認めながら強調する気持を表わす語。まったく。まことに。まるで。とと。
    1. [初出の実例]「むらさきたびをはく者はとっと気のとをらぬ御かたなり」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)
  5. 急に勢いよく動くさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「轡を勒と云時は馬のとっとかけづるをしっと引てとむる心ぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)一二)

とっと

  1. 〘 名詞 〙 魚、鳥、鶏などをいう幼児語。とと。

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