トビカズラ(読み)とびかずら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トビカズラ」の意味・わかりやすい解説

トビカズラ
とびかずら / 飛蔓
[学] Mucuna sempervirens Hemsl.

マメ科(APG分類:マメ科)の壮大な常緑つる性木本。幹は直径30センチにも達する。葉は3小葉からなる。小葉は長楕円(ちょうだえん)形、革質で光沢があり長さ7~15センチメートル、先端は急に細くとがる。5月ころ、古い枝から総状花序を垂れ下げ、長さ6~8センチメートルで暗紫色蝶形花(ちょうけいか)を多数つける。別名アイラトビカズラ。日本では熊本県山鹿市相良(あいら)の丘陵の崖(がけ)に生えるものが、特別天然記念物に指定されている。これは同種が野生している中国中部から持ち込まれたものではないかと推定されている。

[立石庸一 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例