日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリュフ」の意味・わかりやすい解説
トリュフ
とりゅふ
truffe フランス語
セイヨウショウロの料理での総称。フランス料理のソース類の香りづけや、かき卵などの卵料理に入れ、また鶏や野鳥料理に添える。アンディーブなどとともにトリュフのサラダとしても賞味される。とくにフォアグラのパテの中心部にはかならず黒いトリュフが埋め込まれていることで有名。
キャビア、フォアグラとともに世界三大珍味とまで称され、きわめて高価である。南フランスのペリゴール地方産が最上品とされ、ほかにネラック、マルテル、カオール地方産も上級品として知られる。イタリアのピエモンテ・トリュフは白色で、風味はフランス産の黒いトリュフtruffe noirに劣らず優れている。生(なま)ですりおろし、パスタやリゾット、卵料理など高級イタリア料理に用いられる。夏トリュフ、冬トリュフも広く食用にされる。
トリュフは虫がつきやすく、いたみやすいので、なま物は産地に限られるが、冬季には日本にも少量輸入される。一般には缶詰にしたものを材料とする。
[星川清親]