肥育したガチョウの肝臓のこと。Foieは肝臓、grasは肥満したという意味。トウモロコシの餌(えさ)を強制的に食べさせ、運動させずに強制肥育して肝臓を太らせる。脂肪分が多く、約50%含み、滑らかな舌ざわりがある。キャビア(チョウザメの卵の塩漬け)、トリュフ(セイヨウショウロ)とあわせて世界三大珍味とよばれている。フランスのアルザス地方、ペリゴール地方が産地として有名。カモでつくったものもある。バターで炒(いた)めたり、パイ包み焼き、テリーヌなどにして食べる。フォアグラをペースト状にして中心にトリュフを詰めた缶詰もあり、これはそのまま薄く切って食べる。
[河野友美・山口米子]
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〈肥えた肝臓〉の意で,特殊な強制肥育をしたガチョウおよびカモの肝臓をいう。フランス南西部が産地として知られる。脂肪がたっぷりのって,きめ細かな舌ざわりをもち,キャビア,トリュフと並ぶ珍味とされる。新鮮なものをソテーやテリーヌにして食べるのが最上であるが,中心にトリュフを詰めた缶詰品もあり,薄切りにしてオードブルに使われることが多い。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…肥育したものは腹が地面につくぐらいになる。フランスでは強制肥育したガチョウの肝臓でつくった練物のフォアグラが珍味として賞用される。また軟羽は羽根布団やクッションの詰物として用いられる。…
…とりわけ,トリュフとクルミは有名)。また畜産や家禽の飼育も盛んで,フォアグラの主産地として知られている。一部で進みつつあるこうした農業の近代化とともに,近年急成長をみた観光がペリゴールの発展を担うものとして期待されている。…
※「フォアグラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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